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町のとっておきの場所 横須賀・太田和「木哲cotetsu」

2026.03.03 火


町のとっておきの場所

Hachiがご紹介する町のとっておきの場所…

今回ご紹介するのは、横須賀市太田和に工房を構える家具工房「木哲cotetsu」さんです。
オーダー家具の製作だけでなく、建具や店舗・住宅の改装など、木工の技術を活かしながら地域に根差した活動をされています。

代表の菅谷哲男さんは川崎市出身。デザイン専門学校で建築・プロダクトデザインを専攻されました。
24歳のとき、横浜元町家具を代表する家具店の工房へ電話で問い合わせ、見学に訪れます。その後、弟子入りし修行を積むことになりました。後から聞いた話では、最初の電話の際には「都合が悪い」などと遠回しに断られていたそうですが、ご本人はまったく気づかなかったとのこと。その真っ直ぐさが、結果として道を切り開いたのかもしれません。

今までも、これからも。
真っ直ぐなものづくり。


横浜家具は、横浜開港をきっかけに海外から持ち込まれた洋家具を、日本の技術で修復し始めたことが発祥とされています。釘をほとんど使わないのが特徴で、当時の元町には30軒以上の西洋家具店や木工所が立ち並び、「横浜元町家具」として全国に知られる存在となりました。

菅谷さんはその工房で10年間修行を積みました。最初の3年間は下積み時代。職人のための下準備や木取り、板の削り、製材など、基礎作業をひたすら繰り返す日々だったといいます。その積み重ねが、今の確かな技術の土台となっています。

積み重ねてきた歩みが、今の確かな技術を支えています。


友人が住んでいたことをきっかけに葉山へ移住し、同時に独立。今年で16年目を迎えました。自宅兼事務所は葉山町長柄に、工房は横須賀市太田和に構えています。自宅と工房を分けることで、気持ちの切り替えができるそうです。

中学生の頃、恩師から「図画・工作を本当に細かく作っていたよな」と言われたことがあるそうです。細かな作業が好きで、流れ作業のように同じことを繰り返すよりも、作業の中で形が変わっていく過程を見ることが好きだったといいます。学生時代からガウディ建築の曲線美に憧れ、現在も曲線を取り入れたデザインを好んでいます。

ご自身では「のんびりした性格」とおっしゃいますが、面白いと思ったら一気に突き進む行動力もある方です。
「今の自分があるのは、周囲からの刺激や人の、先輩や後輩の存在が大きい」と語ります。
今後はオリジナル家具の展開にも挑戦していきたいと考えているそうです。

製作途中のスツール。
シンプルでありながら、凛とした存在感。


菅谷さんが大切にしているのは、「現状でのベストを尽くすこと」。
ものの見方や感じ方は日々変わっていくからこそ、制作のたびに、その瞬間の自分らしい表現をかたちにすることを意識されています。

作品づくりにおいては、装飾で飾り立てるのではなく、技術を誇示するのでもなく、形そのものの美しさを感じてもらえる家具へと変化してきました。素材と形を活かした、シンプルで美しいライン。数年前から、よく知る方に「菅谷らしい」と言われるようになったそうです。

工房に置かれていた製作途中のスツールは、その代表作のひとつ。
無駄をそぎ落とし、シンプルに仕上げながらも、素材の温かみと確かな存在感があり、空間の中で自然に佇む一脚でした。


旧東伏見宮葉山別邸のベッドのデザインから製作まで担当されました


「普段の生活をより豊かに、楽しくなる空間づくりのお手伝いができたら」
それが菅谷さんの思いです。強く主張するのではなく、空間に自然となじむ家具。良い空間に量産家具を置くと、どこか物足りなく感じてしまう。本物の家具があることで、空間はより心地よい場所になるといいます。

華奢に見えるデザインでも、安全性の確認は徹底しています。スチールの上に板を置き、その上にご自身が乗って強度を確かめたこともあるそうです。その際、板から落ちて転がり、怪我をされたこともあるとか。どこまでもひたむきで真っ直ぐな姿勢が印象的でした。一つひとつの工程を丁寧に、思いを込めて行われています。

オーダー家具の流れは、まず打ち合わせでイメージやサイズ、ご予算をヒアリング。その後、2〜3か月かけてラフスケッチを描き、内容に納得していただいてから製作に入ります。完成まではおよそ半年。納品後1年以内であれば、不具合の修理は無償で対応しています。

どんな方に使ってほしいか伺うと、「愛着を持って長く使ってくれる方」とのこと。
傷がつくことを恐れて大切にしまい込むのではなく、日常の中で自然に使い、時間とともに味わいを重ねていく。気取らず、生活に自然に溶け込ませてくれる方に届けたいと語ります。

心と身体のバランスを大切に



今年50歳を迎える菅谷さん。
最近は無理をせず、心と身体のバランスを第一に考えているそうです。余裕を持つために「余白」をつくることを意識し、自然に触れる時間を大切にしています。自宅近くのハイキングコースから森戸海岸までの道のりが、お気に入りのリフレッシュコースだそうです。

真摯に木と向き合い、空間と向き合い、人と向き合う菅谷さん。
その家具には、ご本人の人柄がそのまま映し出されているように感じました。


お忙しい中、取材・撮影にご協力いただきありがとうございました。
 



DATA
木哲cotetsu

TEL:090-8507-6971
Mail:cotetsusan@gmail.com
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最後までお読みいただきありがとうございました。

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